秋の臓器「肺」はむくみや咳にも関係~東洋医学からみた働きその2「粛降作用」
前回の健康コラムでは、東洋医学からみた「肺」の働きをテーマに、「宣発作用」について見てきました。
・宣発作用…気と水を巡らせる作用(皮膚の潤いや免疫機能に関係)
今回は「粛降(しゅくこう)作用」について書いてみます。
★粛降作用とは
肺の粛降作用とは、気や水を下に降ろす働きのことです(気はエネルギー、水は血以外の体液をイメージしてください)。この粛降作用によって、体は清気をとりこんだり、水や栄養分を下の方に運ぶことができるのです。
★不調になると「むくみの原因・呼吸器のトラブルに」
もし粛降作用が不調になると、どうなるのでしょうか。
まず水分が下に降りませんから、顔がむくんでしまいます。尿の量も減るでしょう(排尿障害)。
また、呼吸器も不調になります。なぜならば呼吸器に水がたまることで、痰がからみ、喘息が生じやすくなるからです。
秋は「肺」をいたわってくださいね。肺は乾燥を嫌う臓器ですから、湿度を適度に保ち、はちみつなどで喉を潤しましょう。
かんたん足もみもご活用ください:http://shizen-fan.com/2022/03/14/2542
★大切なのは「症状」の奥にある原因に対処すること
2回にわたり、東洋医学の視点から見た「肺」の働きについてまとめてみました。
現代では咳やのどの痛み等、何かひとつ症状が出ると、その症状を抑えることに目を向けがちですが、大切なのは、その症状が起こった根本的な原因を知っておくこと。そこには単なる体の不調だけでなく、生きづらさやストレスと言った心の不調が隠されているかも入れません。
客観的な検査や応急処置に優れた「西洋医学」と、「本的な解決を目指すオーダーメイドの「東洋医学」をうまく組み合わせ、寒暖差の激しい季節を乗り切りましょう。次回は秋の食養生についてまとめます(10月15日更新予定)