農薬のリスクは?日本の現状は?~弘前大学名誉教授・杉山教授のお話
【農薬のリスクは?日本の現状は?杉山教授のお話】
(株)ケイフィールズの木下貴晴です。
2025年2月に開催された
「無肥料自然栽培勉強会」に参加してきました。
新幹線が雪の影響で遅れ、
開始時間に到着することが叶いませんでしたが、
農家さんや、研究者の方々のお話を伺うことができ、
勉強になったとともに、新たなご縁もいただきました。
ありがとうございます。
当日の内容をシェアしたいと思います。
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弘前大学名誉教授・
杉山修一教授の発表について
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「最近、家庭菜園で農薬を使わない栽培に
挑戦する人々が増えてきています。
健康的で安全な食が求められているからでしょう。」
杉山教授は長年、
農薬と発達障害との関連について
研究されていますが、
ある県で講演をしたところ、
批判が殺到したといいます。
そこでは、農薬の使用に関する問題が
真剣に提起されていました。
下記、杉山教授のお話をまとめました。
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農薬の現状
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「今、農薬の種類や使用量が
増えていることに対して、
多くの人々が懸念を抱いています。
農薬の使用頻度だけでなく、
使える農薬の種類も増えているのが現状です。
このままでは環境や健康に与える影響が心配です。」
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●国の見解と杉山教授の意見
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「政府は
農薬を薄めて使えば毒性は低いとして、
農薬の安全性を強調しています。」
しかし、杉山教授はこれに対して
「それでは安易すぎる」と警鐘を鳴らしています。
確かに、薄めたからといって、
それで全てが安心できるわけではありません。
「蓄積」というリスクがぬぐえないからです。
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●環境ホルモン問題
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「2000年頃から日本では
環境ホルモン問題について
あまり言及されなくなりましたが、
アメリカでは今もなお研究が進められ、
科学的論文でその結果が発表されています。」
「内分泌撹乱物質は、
ほんの少しの量でも発生し、
影響が現れる人と現れない人がいます。」
日本では農薬を
1/100に薄めて使うことが広まっていますが、
杉山教授としては、
「リスクに関する認識がまだ足りない」
とおっしゃいます。
特に、日本では
農薬の種類が多すぎる一方、
アメリカやEUでは
1~2種類の農薬しか使用されていません。
アメリカでは医師や科学者が
データを徹底的に分析している中、
「日本の対応があまりにも鈍感だ」と、
杉山教授は強く指摘されていました。
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●子供への影響
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「特に気になるのは、
成長段階にある子供への影響です。
大人に比べて、子供たちは
農薬の影響を受けやすいことが分かっており、
その健康へのリスクは計り知れません。」
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●ネオニコチノイドとその影響
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「日本でよく使われている
ネオニコチノイド系農薬については、
現在もまだ十分なデータが
集まっていません。」
「この農薬は水溶性で浸透しやすく、
特に水田でカメムシ対策として
よく使われています。」
「今、島根県の宍道湖では、
このネオニコチノイドが
生態系に深刻な影響を及ぼしています。」
「釣りを楽しむ人たちからは、
魚の数が減ったという声が上がっています。
それでも、政府は温暖化の影響を理由にし、
1回の調査では原因がはっきりしない
という態度をとっています。」
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●代替方法
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「もし、ネオニコチノイドを使わずに
殺虫剤を使う場合でも、
実はその殺虫剤にも
内分泌撹乱作用がある
という問題があります。
しかし、その健康リスクについて、
ほとんどの大手マスコミや新聞は報じていません。
さらに、行政もこの問題を
無視している現状があります。」
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●EUと日本の違い
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「EUでは、農家が
ネオニコチノイドの使用許可を政府に求めましたが、
その要求は却下されました。
一方、日本では、
その逆の対応がなされているのです。
この違いには驚くばかりです。」
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●今後の日本の選択肢
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「今後、日本がどう選択するかが
大きな問題です。
現在、無農薬栽培を推進する
民間の動きが広がりを見せており、
これからますます
注目されるべき課題となっています。」
以上、かんたんではありますが、
杉山教授のお話の要点を
まとめさせていただきました。
杉山教授の貴重な発表内容は、
YouTubeでも視聴することができます。
「小山市 自然栽培」と検索すれば、
講演を見ることができますので、
興味のある方はぜひ、
チェックしてみてください。