秋の臓器「肺」はお肌の潤いや免疫にも関係~東洋医学で見る働きその1「宣発作用」
今回は東洋医学からみた「肺」の働きについて書いていこうと思います。
●秋は肺に負担がかかる季節
「五行論」のイラストを見ていただくと、「秋」は「金」の季節にあたり、同じグループに「肺」「大腸」が含まれているのがわかりますよね。
作物を収穫する季節になると、「肺」や「大腸」を特にいたわろうということが昔から言われてきました。
★肺の働き
東洋医学でいう肺は、単なる臓器の名前ではなく「働き」も表しています。
その働きとは、酸素と二酸化炭素の交換を行うことはもちろん、「宣発(せんぱつ)作用」と「粛降(しゅくこう)作用」という耳慣れないものもあります。
今回はその宣発作用について見ていきましょう。
★宣発作用とは
東洋医学には「気・血・水」という概念があり、これらが十分に足りていて、滞りなく巡っている状態を健康であると考えています。
気はエネルギーのこと、血は血、水は血液以外の体液をイメージしていただければ良いと思います。肺はこの中で気と血を上や外方向に拡散させる作用があります。
★汚れた気を外に出す、皮膚を潤すという役割
この宣発作用によって、濁気(汚れた気)は外部に放出されますし、水が皮膚をうるおしたり、汗になって出て行ったりします。
★バリア機能と言う役割
また、肺は気(バリア機能を持つ「衛気(えき)」)を体の表面に巡らせるという免疫としての役割も担っています。
この宣発作用が不調になると、バリア機能が弱まって風邪をひきやすくなったり、運動していないのに汗が出たり……といったトラブルにつながります。
★肺のケア~乾燥対策
肺は乾燥を嫌う臓器ですから、秋は空気の乾燥対策を行いましょう。食材としては肺を潤すハチミツがおすすめです。
さて、次回は「粛降作用」についてまとめてみます。
季節の移ろいに体を対応させ、健康的に過ごしたいものですね。